お役立ちコラム

既に亡くなった親名義や家族名義の不動産を担保にローンは組める?

既に亡くなった親名義や家族名義の不動産を担保に融資を受けたいという場合があります。
亡くなった親名義や家族名義の不動産で、不動産担保ローンは利用できるのでしょうか。

今回は、未相続の不動産の取り扱いについて、担保提供するまでに必要な手続きの流れを紹介します。

△未相続の不動産は相続の対象となる

金融機関やローン会社によって条件は異なりますが、本人名義以外の不動産を担保に不動産担保ローンを利用することは可能です。
ただし、名義人である親や親族などが生きている場合と亡くなられている場合では、不動産担保ローンを利用する条件が異なってきます。

たとえば、親が亡くなっている場合、親名義の不動産は相続の対象となり、配偶者や子どもといった相続人が、一定の割合で相続できることが定められています。
そのため、亡くなった親名義の不動産を担保に融資を受けられる可能性はありますが、自身の相続割合によっては、希望額の融資が受けられない可能性はあると言えます。

△亡くなった親名義や家族名義の不動産を担保にして、ローンを利用するまでの流れ

未相続の不動産を担保にする場合、まずは遺産分割協議や相続の手続きを済ませる必要があります。
具体的な手続きの流れは、以下の通りです。

【遺産分割協議】
不動産などの財産を相続する際、法定相続人である配偶者や子どもたちが協議し、相続する財産の割合や内容について取り決めることを遺産分割協議と言います。
家や土地などの不動産を相続する場合、遺産分割協議の結果によって内容によって相続の方法は変わります。

例えば、長男が不動産を相続し、次男が現預金、三男が有価証券を相続するというケースもあれば、一つの不動産を複数の相続人が、各相続人の法定相続分に応じた持分で共同相続する(相続人どうし共有持分で保有するなど)というケースもあります。

【法務局で相続登記をする】
亡くなった親や家族の不動産を相続した場合、管轄の法務局に相続登記(名義変更)を行う必要があります。
不動産を全て1人が単独で相続するケースだけではなく、複数の相続人が共同相続する場合も、それぞれ持分所有という形で相続登記をすることになります。

相続登記が完了した後は、自身の持分だけを担保提供したり、売却したりする際に、他の相続人の承諾を得る必要はありません。
但し、相続した不動産が賃貸物件(収益物件)だった場合などで、不動産の管理行為の変更(賃料変更など)をする場合は、他の共有者の承諾が必要になる場合があります。

【不動産の相続分を担保に、ローンを利用してみよう】
相続登記が終わったら、いよいよ不動産ローンを申し込んでみましょう。
不動産の権利を全て相続した場合は比較的審査に通りやすいと言えますが、持分のみを担保にする場合は、持分割合に応じた審査になるため、担保評価額が低くなってしまい、審査に通らなかったり、融資額が低くなってしまうことがあるため注意が必要です。

△亡くなった親や家族名義の不動産を相続し、担保ローンを利用する際の注意点

未相続の不動産を担保にするときの注意点としては、相続税が発生する点があげられます。
相続税は、財産の相続税評価額の合計から基礎控除額を差し引いた額に応じてかかる税金です。

相続した不動産を担保に融資を受けたとしても、相続税の支払い(納税義務)が必要になるため、融資金は慎重に活用しましょう。
また相続税には納付期限があり、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」と定められています。
ちなみに、相続税は納付期限を過ぎてしまうと、本来納める税額の5%~20%分の無申告加算税のペナルティが課せられてしまいます。

また、相続登記の際の費用(司法書士を利用した場合の、報酬など)も、しっかりと頭に入れておくことが大切です。

△まとめ

以上の通り、担保提供などの、生きている親や家族名義の不動産を担保に入れで融資を受ける場合と、亡くなった親や家族名義(未相続)の不動産を担保に融資を受ける場合では、相続登記が必要になる等の手間がかかる点に違いがあります。

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