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社会保険料とは?滞納した場合のリスクと対策について解説

社会保険料とは?

社会保険料は、国民の生活を支える社会保険制度の財源として、労働者や企業が負担する費用です。これには以下が含まれます:

  • 健康保険料:医療費の一部を負担し、病気やケガの際に給付を受けられる。
  • 厚生年金保険料:老後の年金や障害年金、遺族年金を受けるための費用。
  • 雇用保険料:失業時に給付金を受け取れる。
  • 介護保険料:介護サービスを受けるための財源(40歳以上が対象)。

企業に勤める人の場合、保険料は労使折半で負担され、給与から天引きされます。自営業者やフリーランスの場合は、国民健康保険や国民年金を個人で負担します。

社会保険料の加入義務の対象者

社会保険には、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険などがあります。これらの保険料については、法律で加入義務が明確に定められています。

(1) 健康保険・厚生年金保険の加入義務

健康保険と厚生年金保険の加入が義務付けられるのは、次のようなケースです。

  • 法人の事業所
    • 規模に関係なく、全従業員が加入義務対象
    • 役員や従業員は全員、適用事業所として自動的に加入。
  • 個人事業所
    • 常時5人以上の従業員が働く場合に適用。
    • 適用除外業種(農林水産業や一部のサービス業など)は除かれる。
  • パート・アルバイト
    • 原則として、正社員の所定労働時間や日数の4分の3以上の場合に加入義務がある。
    • 以下の条件を満たす場合、4分の3未満でも加入が必要(2016年の法改正以降適用):
      • 週の労働時間が20時間以上。
      • 月収が8.8万円以上(年収106万円以上)。
      • 勤続期間が1年以上見込まれる。
      • 従業員501人以上の企業に勤めている。

(2) 雇用保険の加入義務

雇用保険は、働く条件に応じて以下の場合に加入義務があります。

  • 1週間の労働時間が20時間以上。
  • 31日以上の雇用期間が見込まれる。
  • 学生アルバイトは原則適用外(例外あり)。

(3) 労災保険の加入義務

労災保険は、労働者を1人でも雇用している場合、業種や規模を問わず全ての事業者に加入義務があります。


(4) 国民健康保険・国民年金

  • 自営業者、フリーランス、無職の人は国民健康保険国民年金への加入が義務。
  • 未加入や未納は、年金受給や医療費負担の増加などの問題につながります。

社会保険料を滞納した場合どうなる?

社会保険料を滞納すると、以下のペナルティや影響が発生します。

1. 延滞金が発生

  • 滞納が続くと、未納額に対して年14.6%の延滞金(一定条件で軽減措置あり)が課される可能性があります。

2. 財産差押えのリスク

  • 滞納が長期間続くと、預貯金、不動産、給与などの財産を差押えられる場合があります。特に、国民年金保険料や健康保険料の滞納は、自治体や年金事務所による強制執行の対象となることがあります。

3. 保険証の利用制限

  • 健康保険料の滞納が一定期間続くと、保険証が失効し、医療費を全額自己負担する必要が生じる場合があります。

4. 年金受給額の減額

  • 年金保険料を滞納すると、将来受け取る年金額が減少します。未納期間が長いと、受給資格を失う可能性もあります。

5. 信用情報への影響はなし

  • 社会保険料の滞納は個人信用情報機関には登録されないため、ローン審査への直接的な影響はありません。ただし、滞納による財産差押えがある場合、金融機関の審査に影響を及ぼすことがあります。

滞納への対策

  1. 分割払いの相談
    • 年金事務所や市区町村の窓口に相談すれば、分割納付や支払い猶予を受けられる場合があります。滞納理由が経済的困難であれば、柔軟な対応が期待できます。
  2. 減免措置の申請
    • 一定の収入以下であれば、国民年金や国民健康保険料の減免措置を申請できます。
  3. 不動産担保ローンの活用
    • 保有する不動産を担保に資金を調達し、滞納分を一括で返済する方法があります。不動産担保ローンを利用することで、延滞金や差押えリスクを回避できます。

不動産担保ローンを活用するメリット

  • 一括返済が可能
    • 社会保険料の滞納額をまとめて返済でき、延滞金の発生や差押えリスクを抑えることができます。
  • 低金利での借入
    • 不動産担保ローンは、一般的に金利が低く設定されるため、返済負担を軽減できます。
  • 信用情報の影響が小さい
    • 社会保険料滞納は信用情報に影響を与えません。不動産担保ローンを利用することで、収入証明が難しい場合でも融資を受けやすい場合があります。

注意点

  1. 返済計画を慎重に立てる
    • 不動産を担保にするため、返済が滞ると不動産が差押えられるリスクがあります。
  2. 手数料や諸費用を確認
    • 不動産担保ローンには契約時に諸費用がかかるため、総費用を事前に確認しておくことが重要です。
  3. 信頼できる業者を選ぶ
    • 金融庁に登録された信頼できる金融機関やノンバンクを選択し、不明点があれば専門家に相談する。

まとめ

社会保険料を滞納すると、延滞金や財産差押えなどのリスクが発生します。滞納を解消するためには、不動産担保ローンを利用して資金調達を行い、一括返済するのも一つの手段です。ただし、不動産担保ローンにはリスクも伴うため、返済計画を慎重に立て、必要であれば専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

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