権利証を紛失してしまったという方、結構いらっしゃいます。権利証を紛失してしまった場合、その不動産を担保に借入できるのでしょうか。
結論から言うと、権利証を紛失しても不動産を担保に入れて借入をすることは可能です。
ただし、権利証を紛失した場合には権利証に代わる手続きを取っていただくことになります。権利証を紛失した場合の代替措置は主に以下の2つです。
①本人確認情報の作成
本人確認情報とは、簡単に言えば、権利証を紛失した人がその人本人で間違いないですよという旨を記載した、司法書士が作成する書類です。
本人確認情報に記載しなければならない事項は法律で詳細に定められており、それに従い司法書士はまず本人と面談をし、本人であるという確証を得られれば、本人確認情報を作成し、権利証の代わりに法務局に提出します。
ただし、司法書士が本人確認情報を作成しなければならないときには、費用(報酬)が発生します。
その額は司法書士によってまちまちです。
②事前通知
本人確認情報の作成のほかにも、事前通知という制度があります。
権利証が添付されていない登記申請がなされると、法務局から権利証を紛失した人に対し、登記の申請があったこととその登記が真実であるという時は一定の期間内に法務局にその旨申し出なさいという内容の通知がなされます。
申出がなされて初めて、法務局は登記の手続きを進めていくことになります。
以上、二つの代替措置を簡単に説明させていただきましたが、実際には、本人確認情報を作成することがほとんどで、事前通知が利用されることは稀です。
※なお、2004年(平成16年)に不動産登記法が改正され、2005年(平成17年)3月以降、登記済権利証(登記済証)の代わりに「登記識別情報通知」で登記識別情報が通知されるようになりました。
権利証を紛失したとしても、そこまで不安がることはありません。ただ、大抵の場合に余計な費用がかかってしまうということは頭に入れておいてください。
権利証は紛失しないに越したことはありません。大切に保管されておくようにしてください。